経営労務ニュース・・普及する選択制DC制度

選択制確定拠出年金(DC

 

中小企業における退職給付制度は従来より「退職一時金制度」「中小企業退職共済制度(中退共)」が主流ですが、近年、企業型確定拠出年金(DC)が運用成果に応じた将来資産形成を可能にする制度として増加傾向にあり、従業員の退職後の生活安定に資する福利厚生として注目されています。

    野村総合研究所NRIの調査記事「大企業から中堅・中小企業へ広がる導入の裾野」として従業員1,000人以上の大企業における導入率の伸びが10.9%であるのに対し、300999人規模では16.5%3099人規模では18.4%と、中堅・中小企業層においてより高い増加ペースが示されている。と示されています。

 

この中選択制DC(選択制確定拠出年金)は、給与の一部を従業員の選択により年金拠出へ振り替える制度として、企業は追加の人件費負担を抑えつつ福利厚生を強化できる点が大きなメリットとなっています。

拠出額は社会保険料算定の対象外となるため、企業・従業員双方の保険料負担軽減効果が期待でき、(退職一時金制度も併用しながら)中小企業退職共済制度(中退共)をもって低コスト・最低保証型の退職準備策として機能させながら、選択制DCを併用活用して、運用による社員の将来資産形成支援し、基本保証+資産形成選択肢の制度設計として

  • 若年層を中心に将来資産形成支援としての魅力向上
  • 福利厚生の明示化による採用競争力強化
  • ESG/人的資本経営への取り組みとして評価

などの効果を得ています。

ただし、一方で、制度設計を誤ると賃金減額と誤解されるリスクがあり、十分な労使合意のための説明、就業規則・賃金規程との整合性確保が不可欠です。また運用にあたる一定の事務コストも確保し、さらに、投資教育や継続的な制度説明を行わなければ、従業員の理解不足による不満や形骸化につながる点にも留意が必要な制度です。